春の嵐の中、さいたま芸術劇場まで、蜷川演出『身毒丸・復活』観に行って来ました。
チケット超完売で、観れないかな、と半ば諦めてたら、今日の昼公演、急遽追加発売され、なんとか観れました。
行ってみると、昼公演だからか、客は9割女子。
始まると、幻惑的な舞台にすぐ、のめり込まされました。
100分近くがあっという間。めくるめく寺山修司的幻惑美ってやつかな。
寺山修司的『母探し』。プログラムにも書いてあったけど、昨年蜷川が同様にここでやった『エレンディラ』に通ずるものがありました。「エレンディラは身毒丸の女版かな」ってプログラムで蜷川さん語ってましたが。うん確かに、エレンディラの短い版(笑)。
で、終わって、カーテンコールが何回か続き、最後にはなんとスタンディングオベーション!、、、それも、9割方がスタンダップ。
これは、なかなかすごかったです。
スタオベ!
今までも経験ない訳じゃないですが、9割方参加ってのは初めてです。
①女子が9割だったから。
②その女子が藤原竜也の熱狂的ファンだから。
③チケット即ソールドアウトの伝説の舞台だから。
④それも待望の『復活』公演だから。
⑤日本のお客様もスタオベに馴れ、スタオベのハードルが下がったから。
等々、原因は考えられますが、とりあえず、それくらいの『盛り上がり』だった訳です『身毒丸』。でも、そこで、ふと疑問が。
結構、話、難解な訳です。筋は分かるけども、スパッとくる話じゃない訳でして、寺山修司的幻惑的シーンの派手さで、話進めてくというか。
確かに、上記の理由があるにせよ、正直盛り上がり過ぎ。
だって、寺山修司ですよ。
アングラですよ。
そのアングラ劇に、9割の女子達が、その9割がスタオベしてるって、その光景、アングラじゃない。ある意味、異様。これは、何でだろ?
⑥蜷川演出になると、アングラじゃなくなるから。
⑦小屋がさいたま芸術劇場で、制作がホリプロだと、それはもうアングラじゃないから。
⑧アングラなんてジャンルはもう存在しない、っていうか、いまやジャンル分けなんて、もはや意味ないから。
と、上記5つにさらに3コ理由足してみましたが、多分どれも、正解だと思われます。
ただね、以前、NHKの『爆問学問』で松岡正剛出演回で、爆問の太田さんが言ってましたが
「俺は、立川談志が好きだ。談志の芸はすごい。だからって世間の大多数が談志を支持するとなると、そんな世間なんか気持ち悪い。」
みたいな話してて、それに通ずる感覚です、この僕の違和感。
『アングラで女子達がスタオベ』って。
うん、なんか気持ち悪い。
でも、そこで9番目の理由、思い当たりました
⑨『もう一度、僕をにんしんしてください』って世界観に、女性だけが、子宮で反応。
この『お前をにんしんしたい』ってメッセージに、女子のみなさんは、というか女子だけが、反響する『なにか』がある、ということでしょうか?
子宮が反響、っていうか、子宮で観劇、で感激っていうか、僕には、子宮ないので、本当の所はよくわからんが。
なんか、女性だけが、感じる『なにか』ってのがこの芝居にはある、ってのは確かに感じました、身毒丸。
でも、いずれにしても、その『なにか』を表現する、寺山、蜷川、岸田理生、そして藤原竜也さん、白井加代子さんが、やっぱすごい!です。
⑩やっぱすごい芝居だから。
かな、スタオベの理由。
あっ、理由になってないか。
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