同調圧力の減圧

今日また芸能界と広告業界の(無意味で無価値な)忖度話を聞いてしまった。
自主規制の嵐。
躊躇の上塗り。
うー、闇が深い。
というかはっきり言って考え方自体が古い。むしろ踏み込んで損害が出たとしても本当一時的なことで、すぐ新たな利益が出てくるのに。
既得権益はもはや機能しなくなりつつあるのに。

政治の世界でもテレビの中でも会社の中でも、誰と誰が仲がよい、誰と誰は仲が悪い、とかばっか話してる。
誰は先輩でとか、派閥がどーとか、誰を怒らせたとか。
それ、本当にどーでもよくないか。
本当に大事なことがそんな話題でかき消される。

同調圧力が異様に高いこの村社会日本の中の過剰圧力。

例えばそんな村社会では、配慮と遠慮を意図的に間違って使う人がいる。
相手に気を使って遠慮したふりをして、実は自分が踏み込むのが面倒だったり、踏み込む勇気が無いだけなのを、さも配慮したという表現でごまかしたり。
相手と何かを決行する時、実はほとんどの場合、相手への本当の配慮は遠慮しないことだったりするのだ。

例えば何かを決めなきゃいけない時、相手に「任せた」と言う人には二種類ある。
相手の意見を尊重したい時と
自分が決めるのを拒否したい時。

厄介なのは同調圧力が強い組織や社会の中では、前者のフリをして実は後者の場合が圧倒的に多い。

みんな責任を取るのを回避したがるから。
そして決定と責任が曖昧になる。

今の日本の会社や社会や国家にとって大事なことは同調圧力の減圧だと思う。

それができない限りネット社会でもリアル社会でも、どんどん異物者の選別と阻害と排除が繰り返される。
同時に決定の回避と決定者の責任逃れがどんどん進行すると思う。

一人一人が過度に同調を求めない。
一人一人が他者に過度に同調しない。
同調圧力の減圧には一人一人の気概と勇気が必要だ。

角田陽一郎 Kakuta Yoichiro Official Site [DIVERSE]

バラエティプロデューサー/文化資源学研究者(東大D2)/ 著書:小説『AP』『仕事人生あんちょこ辞典』『最速で身につく世界史/日本史』『天才になる方法』『読書をプロデュース』『人生が変わるすごい地理』『出世のススメ』『運の技術』『究極の人間関係分析学カテゴライズド』他/映画「げんげ」監督/水道橋博士のメルマ旬報/週プレ連載中/メルマガDIVERSE

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