エンタメからの離脱

あくまで自分的な意味でなんだけど(といっても世間ではジャニーズ問題とかもありますが)、最近エンタメへの興味が失せてしまっている。元々子どもの頃から大好きだったし、なのでそれを職分に選んだと思うのだけど、テレビ、映画、演劇、ライブ、漫画、アニメ、ゲーム等々とても楽しんで来たし、たくさんたくさん接して来た。
なのに、ここ数年もういいかなって想いがどんどん強くなって来ている。
6年前に旧Twitterに書いたのが、

2017.9.16
あくまで個人的な思いだけど、職業柄か若い頃は何がヒットしてて何がトレンドなのかの「今」に興味があったし知らなければならないと思ってた。でも今はあまり興味ない。むしろ過去の名作や偉人の偉業に触れたいし吸収したい。それらを自分の内部に受け入れて、むしろ「今」の世間に新たに発信したい。

・・・そんな感じで、「この作品がおもしろい!」「感動した!」って言われても、正直そんなに見たくないのです。なんていうか演出過多というか、それを受けつけないというか。
これって加齢とか老化とか、多分に自分自身の原因な気もするし、今のエンタメの何を観ても既視感や作為を感じているのかもしれません。
一方で、ただの何気ない日常や、ちょっとした出会いや、日々の光景とかに、とても感動したりします。ただ犬を見ているだけとか、ちょいと入ったラーメン屋が美味しいとか、知らない外国語の意味を知るとか、バスに乗ってみるとか、好意がある人との会話とかとか。拙さや平凡さにこそむしろワクワクするというか。
なんていうかエンタメ=娯楽というのが楽しさを追求する行為なのだとすれば、自分にとっての楽しさとは、もはやその楽しさを追い求めたりせずとも、たまたま何かと誰かと出会ってしまったという偶然にこそ楽しさがあるんだと想えてならないのです。
これ言いすぎると、自分の職分の否定につながるし、それで自分の食分はどうするんだ?って問題を孕むわけなのですが、でもなんていうか、エンタメはもういいかな、ってのが率直な今の心境なわけです。
エンタメから離脱することが、僕の人生の新しいエンタメとでもいうか。

角田陽一郎 Kakuta Yoichiro Official Site [DIVERSE]

バラエティプロデューサー/文化資源学研究者(東大D2)/ 著書:小説『AP』『仕事人生あんちょこ辞典』『最速で身につく世界史/日本史』『天才になる方法』『読書をプロデュース』『人生が変わるすごい地理』『出世のススメ』『運の技術』『究極の人間関係分析学カテゴライズド』他/映画「げんげ」監督/水道橋博士のメルマ旬報/週プレ連載中/メルマガDIVERSE

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