自分の餅はなんだ!?:『陥没』@シアターコクーン

ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出の『陥没』を見た。

昭和4年=世界大恐慌の年を描いた「東京月光魔曲」(2009)、昭和20年=敗戦の年を描いた「黴菌」(2010)に続く「昭和三部作」完結編の舞台として選んだのは、東京オリンピックを二年後に控えた昭和37年の新宿のはずれ。 建設されたはよいが、オープンにこぎつけられそうにない、あるレクリエーション施設。高度成長期で日本中が浮かれる中、どういうわけか時代の溝にはまってしまった一組の婚約中のカップルと、二人を取り巻く人々を描く群像劇になるでしょう。 シリーズのラストを飾るに相応しい……と気持ちよくいい放てるような分かり易い派手さには欠ける舞台かもしれません。 明示されないドラマにこそ豊かさがあると信じ、この手練れ揃いのキャストでのみ実現可能な、デリケートな会話劇を作るつもりです。御期待戴きたい。 

ケラリーノ・サンドロヴィッチ 《HPより》



すごくいい芝居。好きな作品。

なんていうかオールドメイドな感じでケラさんのハイセンスがいっぱい詰まった作品。

人間の弱さを普通に演じる役者さんがみんなうまい!いつの間作品の中に入ってこのホテルに泊まってみたくなる。

生瀬さん演じる男みたいにいい加減に生きるオトナ、昔は大嫌いだったんだけど、今はあんな風に生きてみたいとも思う。まあ、実際にいたら大変だけど。


その後、以上のようなツイート書いたらケラさんから、ありがとう!と RTが。

嬉しくて、返信。↓


陥没、とても素晴らしくて、僕がすごく好きな作品でした!!すごく緻密に繊細にできていて(なんか上手く説明できないんですけど)なんかいい意味で人生の“あきらめ”を感じられるのです。

なんかいい作品を見た時感じてしまう焦燥感とか悔しさを感じなくて、ピュアに演劇を楽しめる、というか。


、、、と書いた。これ本当にそう。

でももっと詳しく書くと、ケラさんの作品がこのところあまりにクオリティがすごくて(というか昔からすごいですが、特に最近の作風ですごく感じます!)、なんか普段からいろいろやりたい僕は舞台の作演ってやってみたいなとか思っていたのですが(演出はやったことあるのですが、作は学生時代しかない)、なんかそのケラ作品を見ていると、僕なんかが手をだせない領域なんだと、なんか半ば嫉妬し、なかば諦めがつく、なんかそんな気持ちになったのでした。

だって、役者さんの演技だけでなく動きとかプロジェクションマッピッングとの連動とかすごく手が込んでいて、きっとすごい緻密な計算をして脚本を書き、日々稽古をやっていると思われる。そんな世界に僕なんかが介入するのおこがましいと思っちゃったくらい。

”餅は餅屋”じゃないけど、なんか演劇は演劇のプロにまかせて、ピュアに作品を観客として楽しんでたいな、とか一方で思ったり。一方で、僕はもう餅屋にはなれないんだと、なんか落ち込んだり。

そんなこんなで、では一体、

僕の餅はなんだろう?

テレビか?

バラエティ!?

いや、そんなにテレビという餅作り、うまくない気がしてきて、22年もやってたけど。

とかなんとか、激しく考えちゃったな。

まあ、この『陥没』自体が、先の東京オリンピック直前で、悩めるオトナたちが出てくるから、その影響受けちゃってんのかもしれないけど。

次の東京オリンピック直前で、悩めるオトナ、それが僕なわけだ。


角田陽一郎/Kakuta Yoichiro DIVERSE

バラエティプロデューサー/Variety Producer 著書『13の未来地図フレームなき時代の羅針盤』 『「好きなことだけやって生きていく」という提案』『最速で身につく世界史』『成功の神はネガティブな狩人に降臨する-バラエティ的企画術』『究極の人間関係分析学カテゴライズド』/映画「げんげ」監督/ 水道橋博士のメルマ旬報連載中/渋谷のラジオ金曜朝10時[渋谷で角田陽一郎と]/MX オトナに!

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