10年前の2006年に放送された番組を先日再放送していた。今日録画を見た。
長塚圭史さんが、遠藤周作の1950年ー53年のフランスでの軌跡を巡る。
さらに10年前の96年に遠藤さんは亡くなっている。
以下は、10年前に告知された番組の概要↓
NHK ハイビジョン特集『ルーアンの丘から 遠藤周作 フランスの青春』出演情報 投稿日時 2006-03-14 | カテゴリ: 長塚圭史
遠藤周作の没後10年にあたる今年。 長塚圭史が、1998年に出版された「ルーアンの丘」など遠藤周作の著作をもとにフランス・ルーアンなどその足跡をフランス各地に訪ね、一人の偉大な作家が誕生するに至る心の軌跡を辿ります。 監督は映画「東京タワー」「大停電の夜に」等で話題の鬼才・源孝志。 長塚はその心の軌跡に何を感じたのでしょうか。 ご期待ください。
放送日:
3月15日(水) 20:00~21:50
NHK BSハイビジョンにて
ハイビジョン特集『NIPPONの巨人 ルーアンの丘から 遠藤周作 フランスの青春』
留学生として敗戦まもなく日本人が航路で欧州に向かう。遠藤は、ルーアン、リヨン、パリと赴く。
遠藤周作の苦悩に、ものすごく、ものすごく、考えさせれらる。
僕が最初に遠藤作品に出会ったのは、中学生か高校生かなんかの時に『海と毒薬』。ということは、彼がなくなる10年前。てことは、今から30年前。
確か予備校の国語のテストで、その冒頭の一節が問題文になっていた。
その時の印象が、強く残って、文庫本で買って読んだ。
衝撃だった。
それから、彼の作品を読み漁る。
でも、実は彼の日記等は読んでいなかった。なんていうか、彼の作品世界にはものすごくハマりつつ、著者遠藤周作の人生には、あまり触れたくなかったのだ。なんでだろう?
今思えば、僕に、遠藤周作さんの人生にまだ触れる準備ができてなかったのかもしれない。
人生のこと。信仰のこと。恋愛のこと。
多分、その当時は、あまりよくわかってなかったのかも。
まあ、今もよくわからないけど。
でも、それを、彼の作品と出会って30年たって、亡くなって20年たって、その足跡を追った番組が放送されて10年たって、今見るというのも、「今、見なさい」って言われてる気がした。
番組では、彼の著作を読み進めながら、若き長塚圭史さんが、彼の想いもつづる。
なんていうか、(悪い意味ではもちろん無く)遠藤周作も長塚圭史も、この番組のスタッフも全て、ナルシストだ。ナルシストの苦悩を感じる。
きっと男は、全員ナルシストなんだろう。もしかしたら女性もそうかもしれないけど、こればかりはよくわからない。
でも、それでも、よいんだとも思う。
苦悩とナルシズム、それがあったから、遠藤は作品を生み出し続けたわけだし。
番組の最後にリヨンの街いっぱいにひろがった虹があまりにきれいだった。
こんな映像はなかなか撮れない。
きっとこれが撮影できた偶然は、そんないろんな人たちの苦悩とナルシズムが導いたんだと想う。
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