ナイロン100℃『ちょっと、まってください』@本多劇場。
あまりに凄まじかった。
もうここまで演劇は行ってるんだな、と思う。
まさにナイロンであり、別役実であり、まごうことなきケラさんの作品だ。
「この程度でいいだろう」というお客をなめたとこなど微塵もない極北まで突き進めた怪物のような演劇。
この作品の既視感は一体何なのだろう?とずーっと考えてたら、わかった。
今朝見たこのツイートだ。↓
立川談四楼
安倍さんは周囲によく言うらしい。「やってる感を出すことが大事」だと。要するに、実際にはやってなくてもやってるように見せかけることが大事だと言ってるんだ。前座なら了見が悪いと破門必定だが、そのポーズでこれまでモリカケ等を凌いできたんだ。謙虚、丁寧、説明、これみんなやってる感なんだ。
この通りのことが、舞台の上で行われているからだ。欺瞞とペテンしかない世界。それを微塵も感じさせないストーリーの中で。バケモノみたいな作品だ。
個々人から発せられるあまりの会話量、あまりの情報量、数多のコミュニケーション、しかしそれは相手には1ミリも届いていない。
この芝居は、まさに今のテレビであり政治であり会社でありネットであり社会だ。メタファーというか、むしろそのもの。
客演のマギーさんが素晴らしい。
いい役だし、全部持ってってる!
客演だけどマギーさんの代表作に記される作品だと思う。
個人的に言えば、「嘘の戦争」の百田ユウジが舞い戻ってきた感じのペテン師。このキャラ、マギーさんにすごくハマる。
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