流動体について:小沢健二

今ヨーロッパ行きの飛行機の中でこの文章を書いている。今やネットも繋がるし、新作映画も観られるし、ヨーロッパへの12時間余りの飛行機缶詰の旅もそんなに悪くない。真ん中の席で両隣りの紳士が寝ているから、トイレに立つタイミングが難しいけど(笑)。

移動というのは、移動するだけで、頭の中でも思考が移動するのかも知れない。
という理由が、まさに『ぼくらが旅に出る理由』なのだ。

小沢健二さんの新作『流動体について』が先週発売された。早速CDを買って聴く。朝日新聞の全面広告にも目を通し、ニュースゼロも観て、ミュージックステーションも観た。
オッサンがオッサンの追っかけをやってる奇妙な感じ(笑)。


この『流動体について』、昨年のライブツアーでも奏でていた曲。昨年は東京のチケット取れなくて名古屋まで聴きに追っかけて行ったのだ。でも本当に素晴らしいライブだった。詩が本当に素晴らしい。字幕がステージ上に流れていたけど、一句一句脳裏に焼き付けるように詩を追っかけた。

オザケンは僕の2こ上。(確か大学時代、フリッパーズギターの彼を駒場東大前の駅のホームで一度だけ見たことがある、確か彼は駒場で留年していたのだ、それを略して“駒留”と言った。)
そんな彼が久々に戻ってきて、でもオッサンになってて、そしてさらに輝きをました音楽を発表してる。
はっきり言えばぼくが20代で聴いてた頃より今のが好きだ。
『ぼくらが旅に出る理由』も『さよならなんて云えないよ』も当時は実はそんなに好きではなかった。なんか普通にキャッチャーな売れそうな、CMや番組で使われそうな曲だとしか思ってなかった。(寧ろ『ある光』だとか『ローラースケート・パーク』とかが好きだった)
でも、今この歳になって、多分人生という旅を重ねて聴くと、彼の歌っている姿がもうどんどん好きになる。

20年くらい前に『ある光』がニューヨークに旅立つ歌で、移動して移動して、羽田にようやく帰ってきて『流動体について』を歌う。

彼の移動してきた空間と時間が、彼の頭の中の思考をまさに流動体にしているのだ。

僕も自分の思考を流動体にしたいと、旅の途中で思う。

角田陽一郎/Kakuta Yoichiro DIVERSE

バラエティプロデューサー/Variety Producer 著書『13の未来地図フレームなき時代の羅針盤』 『「好きなことだけやって生きていく」という提案』『最速で身につく世界史』『成功の神はネガティブな狩人に降臨する-バラエティ的企画術』『究極の人間関係分析学カテゴライズド』/映画「げんげ」監督/ 水道橋博士のメルマ旬報連載中/渋谷のラジオ金曜朝10時[渋谷で角田陽一郎と]/MX オトナに!

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