「よくない方向に向かいそうな世界を、ハッピーな方向に変えよう」とあえて提言する派:2017年に僕が思うこと

あけましておめでとうございます。

2017年が始まるにあたって、僕が思ったことです。


話は3年前の2014年初頭に遡る。

僕が制作していた番組『オトナの!』にキングコング西野亮廣さんとイラストレイターの中村佑介さんがご出演した時だ。


二人の作品の話になって、西野さんの絵本と中村さんのイラストが、ちょうど同じ0.03㎜のペンで描いていると盛り上がった時、MCのいとうせいこうさんがあることをおっしゃったのだ。

その模様は、のちに僕が編集して書籍にまとめられた『オトナの!格言』に載っている。↓


「最後にMCせいこうは2人に言う、今までこういう絵描きが歴史上出てきたとき、○○派と名乗ってきた、フランドル派とか印象派とか。2人はそれぞれ素晴らしい作品を生み出しているが、ならば○○派を名乗ったほうがいい。○○派と名乗った後に、個人を超えて、この芸術が何なのかが逆算されて後世に語られるからなのだ。そうだな、例えば0.03派とか(笑)。

そして僕は思った。14世紀にはイタリアの宮廷でルネサンスが産まれ、19世紀にはパリのカフェで印象派が産まれ、そして21世紀には、テレビの番組収録で新しい芸術が産まれるのだと。なんておもしろいんだ。印象派という名は当時、「こんな印象的な絵描きやがって!という批判から名付けられたのだという。西野さんは、“芸人”とは職業のジャンルじゃなくて、芸をする人という意味なんだと言う。なので自分の芸はバラエティ番組のひな壇でしゃべることや旅番組でグルメレポーターをやることじゃない。それはそれが上手な芸人がやればいい。僕は、絵を描くことを芸人としてやっているんだと。そんなことはっきり言うから、彼のTwitterは炎上するし、好感度が低いのだろうけど。中村さんとはその後、彼の地元大阪で新しい“派“の名前を何にするかで飲み明かした。
僕はいつかお2人が新しい芸術を名乗られるのを楽しみにしている。 」《オトナの!格言より》

せいこうさんが言うには、実際20世紀初頭のシュールレアリスムなんて、画家だけじゃなく、詩人がいたり写真家がいたり、パフォーマーがいたり、あらゆるジャンルのアーティストが、シュールレアリスムを名乗ったのだった。

つまり、ジャンルや技巧を超えて新たな「○○派」を名乗ったほうがいいんじゃないかって、それ以来僕はひそかに思っているのだ。

未来に向けて提言できる「○○派」を。


では今、2017年に、あらゆるジャンルを超えて、どんな、「○○派」が必要なのだろうか?

僕はここ数年そんなことばっか考えていたのだけれど、つまり21世紀になり、”こんな描き方をする”とか”こんな傾向がある”とかの表現スタイルで今更「○○派」を括るのはあまり意味がなく、むしろそんな表現方法はそれこそ多種多様でバラエティに富んでいてよくて、でも今僕たちに必要な、後世に影響を与えるような「○○派」を、新たなに考えたほうがよいんじゃないかって、そんなことをつらつら考えていたのだ。


そんな中、あるヒントをいただいた。

昨年2016年末にまさにキングコング西野さんが、こんなことを書いていた。

それはこの3月に放送するNHKの企画『ネットで決戦#(笑)動画』作ってみた』内の「テレビとネットについて考えるフォーラム」に西野さんが参加して感じたこと。↓

 「ただ、実際、視聴回数もトップで、でんぱ組の反応も一番良かった『ストップ!恋愛 ゼッタイダメ』ですが、僕個人的には、「リア充、死ね」が下地にあるノリは、かなり古臭く感じました(でんぱ組さん、ごめんなさい)。

そのスタンスがマイノリティーであった時代は、まだ面白かったかもしれませんが、ネットで横の繋がりができて市民権を得て、もはや体制側になってしまったので、

端的に言うと、「そりゃ、票は稼げるだろうけど、プロなら一から作ろうよ」というのが、『ストップ!恋愛 ゼッタイダメ』の内容に対しての僕の感想です。」《#(笑)動画HPより》


西野さんが言う、話題のネット動画「石田三成CM」を制作したクリエイティブディレクター・藤井亮さんが作った『ストップ!恋愛 ゼッタイダメ』。実際昨年末にはYouTube等でかなり見られて話題になっていたし、僕もおもしろいと思った。

『ストップ!恋愛 ゼッタイダメ』はこちらで見られます↓

でも、この動画を見た時、なんか僕はある違和感を感じたのでした。

そして気になってしまい、実はこのフォーラムを僕も見学させていただいたのです。終わってから西野さんとも話し、藤井さんともお食事させていただいてそのことを伝えたんだけど、上記の西野さんが思ったことと、僕がこの動画を見て感じた違和感とすごく重なったのでした。


つまり、藤井さんが作ったネット動画がよくできていて、それがバズったからこそ、あえて言えることなのですが、

「今、(バズらせるためにせよ)ネガティブなことをプロが表現していてよいのだろうか?」

ということです。

当然、表現の自由は絶対的に大事なことだから、すべての人はどんなことも表現してよいのは当たり前です。

でもその上で、藤井さんや、西野さんや、(例えば一応僕なんか)、表現を生業にしているプロのクリエイターが、それがバズるとか、話題になるとか、儲かるとかの理由があるにせよ、ネガティブなことで作品として産み出しても、ハッピーじゃないし、そんなの意味がないのじゃないかと、思ったのです。


なぜか?

それは、そんな表現なんかしなくても、今、社会が、日本が、世界が、現実が、ますますネガティブで不安な方向に向かっているからです。

そしてそれは、去年にまして、2017年には、もっと”不確かな世界”へ向かっていくかもしれないからです。


ならば、そんな”不確かな世界”に抗うためにも、ネガティブをポジティブに変えるためにも、すべてのジャンルの表現者は(プロの表現者はあえて)世界がハッピーになるような、ポジティブな作品を生み出す必要があるんじゃないか?

それがプロの表現者の使命なんじゃないか?

世界に対して、未来は明るいよ!というか、明るくしようじゃないか?

と、はっきり提言してもよい、提言する「○○派」が、今こそ、あってもいいんじゃないか?

そんな風に思ったのです。


実際、西野さんの作る絵本はすべてハッピーエンドです。

藤井さんも、今度作る動画はハッピーにします、とおっしゃっていました。

まだ具体的に「○○派」を何と名乗ればいいかは、自分でも見えていないですが、でもあえて言えば

《「よくない方向に向かいそうな世界を、ハッピーな方向に変えよう」と、あえて提言する派》です。


これが、今年2017年、(僕がフリーになってみて)やってみようと思うことです。


もしご意見やご感想があったらぜひお教えください。

読んでいただきありがとうございました。







角田陽一郎/Kakuta Yoichiro DIVERSE

バラエティプロデューサー/Variety Producer 著書『13の未来地図フレームなき時代の羅針盤』 『「好きなことだけやって生きていく」という提案』『最速で身につく世界史』『成功の神はネガティブな狩人に降臨する-バラエティ的企画術』『究極の人間関係分析学カテゴライズド』/映画「げんげ」監督/ 水道橋博士のメルマ旬報連載中/渋谷のラジオ金曜朝10時[渋谷で角田陽一郎と]/MX オトナに!

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