最後の板ガム。

板ガム、もうほとんど売ってない。
今や焼肉屋さんで食事の後にもらえるくらい。

僕は板ガム好きで、長い運転の時は、眠気覚ましのための、もうむしろ味が無くなってからのくちゃくちゃやってるためのものだった。
徹夜が続く時の編集室とかでも、眠気覚ましという意味と、口動かしてるとアイデアが浮かんできて、板ガムよく噛んでたし、そのまま朝からスタジオ収録とかになっちゃった時には、なんとなく歯磨き代わりの気分でくちゃくちゃしてた。

ちなみに、好きなのはロッテのフラボノガム。味が無くなってからの味の無さが、一番美味しいから。味がないのに美味しいって、すごいことだと思うのだけど。

でも今のアメみたく小さく包んでるガム、あの小ささの方が口が小さい人には好まれるとかでそーなったと聞いたことがあるけど、なんかガムを食べるスタイル自体がかっこ悪い(気がする)。
それに運転中に片手で銀紙剥いて口に入れるの、板ガムの方が口に加えて口に入れる方が、なんかスマートだと思うしね。

なんでもガムの売れ行き落ちてるんだよね。だからいろいろ商品開発もした結果のあの小包ガムなんだろうけど、僕みたく板ガム支持派の人間には、単純にスマートじゃないから、だからガムの人気が逆に落ちたんじゃないかと感じてます。

で、売れないからか、だからメーカーもどんどんガムの商戦に積極的じゃなくなって、最近ではもうガムのCMも見ないし、売り場の棚面積も減ってるし。そんな中での板ガム撤退なんだろうな。

なのでそれに危機感を抱いた僕は数年前から、板ガム売ってんの見かけたら箱買いしてたくらい。地方の店のがあったりして、旅の途中に箱買いもしてた。それで結構車の中に補充してたのです。
でもここんとこどの店でも板ガム、見かけもしなくなった。

で、今日車のボックスの中見たら、最後の一枚になっていた。
これ終わったら、もう食べられないのかな、板ガムのフラボノガム。
と思うと、なかなか食べられない。
(あっ、ガムは“食べられない”ではなくて“噛めない”か。最後に食べないで包んで捨てるわけだから。どーでもいいけど。)

僕はこの板ガムの携帯性と大きさが好きだったんだけどな。
学生の頃、エルメスで革製の板ガム入れが3万円くらいで売ってて、買いたかったけど流石に高くて買えなかった思い出あるなあ。

こうやっていつのまにか無くなってくもの多いんだろうな。


角田陽一郎 Kakuta Yoichiro Official Site [DIVERSE]

バラエティプロデューサー/文化資源学研究者(東大D2)/ 著書:小説『AP』『仕事人生あんちょこ辞典』『最速で身につく世界史/日本史』『天才になる方法』『読書をプロデュース』『人生が変わるすごい地理』『出世のススメ』『運の技術』『究極の人間関係分析学カテゴライズド』他/映画「げんげ」監督/水道橋博士のメルマ旬報/週プレ連載中/メルマガDIVERSE

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