ボクは声も大きくて早口でいつも一生懸命喋るから、何かの説明を真摯に熱意を持ってすればするほど、逆に相手に恐いと思われ、なんなら「詰められてる」と勘違いされることが若い頃から多い。過剰さは罪なのは分かりつつ、でも自分がそのことに真摯に向き合えば向き合うほどそうなってしまう。
だから逆に言えば、不器用なくらいに一生懸命な人が好きだ。人間関係をうまく埋めようと策を弄してる人より、それに迷いながら(なんなら苦しみながら)それでもコミュニケーションを取ろうとしてもがいてる真摯な“拙さ”とか“弱さ”が人間っぽくて好きだ。
その拙さと弱さを自分の作品では描出したいんだ。
自分が監督した映画『げんげ』の塚地武雅さんや川島明さん演じる人物もそうだし、今度夏に出る初小説もそんな人たちを描いている。
この世界が、ちゃんとできる人間、強い人間、素晴らしい人間で溢れてしまったら、それはそれで窮屈で退屈で、生き場のない世界になってしまうから、ボクは嫌なのです。
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